宮崎市教育委員会の取組み 学校に登校することが難しい子どもたちの社会的自立を支援する教室 「教育支援教室 まなビバ!」 (市内8か所)ってどんな場所?
2022年度に宮崎市内に8か所に(小戸・田吉・神宮・里山・佐土原・田野・高岡・清武)「教育支援教室 まなビバ!」が設置されたことをご存じですか? 「教育支援教室」やその通称である「まなビバ!」という名前、まだ知らない方、聞いたことがない方も多いのではないでしょうか?
教育支援教室とは学校に登校することが難しい児童生徒の社会的自立を支援し、集団生活への適応や基礎学力の補充・基本的生活習慣の改善を図るため、2022年度から相談や体験活動を行う教室です。
実際にどんな場所なのか今回見学してお話をうかがってきました。
「教育支援教室」ってどんな場所?どんな人が利用できるの?
まなビバ!小戸教室のチーフスクールアドバイザーの後藤さんと、スクールソーシャルワーカーの川越さんに、宮崎市が不登校支援として取り組みを始めた「教育支援教室 まなビバ!」について詳しいお話をうかがいました。
宮崎市学校教育課の「教育支援教室 まなビバ!」とはどんな場所なのですか?またどんな人が利用できるのですか?
宮崎市内に住んでいる小中学生で、学校に行くことが難しいお子さんたちが基礎学力を補充したり、集団生活に適応する力をつけたり、基本的生活習慣の改善など、子ども達の社会的自立を支援する場所で宮崎市学校教育課が運営している教室です。
宮崎市の不登校支援でそのような場所ができていたのですね!
まなビバ!では子どもたちはどんなことをするのですか?
各自自分のペースに合わせての自学自習が基本です。タブレット端末を活用したり、お子さんの学習状況に応じてスタッフが支援を行っています。
他にも子どもたち同士の交流やリフレッシュのため、バドミントンや卓球等の運動やボードゲーム、虫取りなどの自然体験等、市内8か所の各教室の特色を生かした交流を毎日行っています。
教室での一日の流れはだいたい以下のような感じです。
子ども達が無理なくゆったりと過ごせそうなスケジュールですね。
まなビバ!は毎日登校しなければならないのですか?
まなビバに登校した日は出席にカウントされるのでしょうか?
学校に行くことが難しいお子さんたちの自立を支援する場所ですので、
最初から急に負担がかかってしまわない様、お子さんの現在の状況、体調、意欲など、保護者の方、お子さんと相談して登校日数や過ごす時間も調整する等少しづつ慣れられる様しっかりサポートします。
それは安心ですね!入級したい方はどのような手続きをしたらよいのですか?
まずは学校の担任の先生に「教育支援教室」に入級したい旨を相談してみてください。
その後保護者が入級意思確認書を学校に提出し、校長先生や教育支援教室職員と面談等を経て利用が可能となります。
まなビバ!は今年度からオンライン相談も開始 ネット活用して不登校支援を強化!
こんな場所や制度ができたこと、今まで知りませんでした!
でも・・・そうはいっても、子どもが学校に行けないことは家族にとっても大きな心配。これからどうしたら一番子どもにとってよいのか、親もいろいろと悩むところです。
子どもの今の状態やこれからについて気軽に相談できると嬉しいのですか・・・。
不登校に関する相談窓口として対面・電話での相談を行っていますので、お子さんのことで気になることがあればご相談ください。
まなビバ!についてだけでなく、フリースクールや学習支援等、お子さん本人はもちろん保護者の方の気持ちを大切にしながら、今できることを一緒に考えていきたいと考えています。
月曜日から金曜日の9:15~15:30が相談の時間です。
まなビバ!小戸教室でのみ今年度からオンラインでの相談も可能です。オンライン相談はZoomを利用して行いますので来所頂かなくても相談ができます。
お申し込みは予約フォームまたはお電話で予約をお願いします。
対面での相談だと少し抵抗がある方でもオンラインなら少し相談しやすいかもしれません。気になることがあったらまずは相談からですね!全国的にも不登校の児童数は年々増加していて、宮崎市も2022年には1000人を超えましたね。
まなビバ!に来るようになって、自分のことを待っていてくれる人がいる、友達がいる、一緒に考えてくれる人がいると感じることで、子ども達の表情が柔らかくなり、元気を取り戻していく子がこれまもたくさんいらっしゃいます。
子どもたちはもちろんお母さんも元気で笑顔でいて欲しいですね。
今日は貴重なお話をありがとうございました。
子どもたちの学びの多様性と学ぶ権利をまもるために私たち大人ができること
宮崎市では2023年に市内の10小中学校に「校内教育支援教室」を設置するなど、少しづつ子どもたちの学ぶ権利を守ろうと不登校への取り組みを強化してきています。ですがまだはじまったばかりでそれらの取り組みが市民の皆さんにまだ周知されていない様に感じます。
わが子が不登校になってから、ではなく、周りの子ども達が最近ちょっと学校に行きづらそうだな、とか気づいた時に「こんな場所もあるみたいよ」と一つの選択肢として保護者も先生方も周りの大人も知っておくことが大切なのではないかなと思います。
子ども達が学校に行けなくても、心や体を休めて次のステップに進める場所があること、そして友達といきいきと遊び笑顔で過ごせる環境や選択肢がたくさんある宮崎市になるといいですね。
まなビバ!のロゴマークにもある若葉のイラストは、子ども達の伸ばした若葉がすくすくと育っていく様子をイメージさせてとても素敵だなと感じました。